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早稲田大学バレーボール部 は2011年(平成23年)に創部80周年を 迎えます |
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前部長 水野忠夫先生 退任あいさつ |
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「バレーボール部と過ごした日々」 名誉顧問(前部長) 水野 忠夫
昨年の7月13日に私は古希を迎えた。満70歳の誕生日である。そして、この3月末日をもって早稲田大学文学部を定年退職することとなった。1973年4月、文学部ロシア文学専修の専任講師として母校に迎えられて以来、35年の歳月が流れている。ひとしおの感慨もないわけではない。 そんな思いとともに、去る2月2日に、「20世紀ロシア文化との対話」と題する最終講義を終え、3月には、大学院で研究を指導したゼミ生(早稲田大学をはじめ、全国の大学で教職についている)を中心に、20世紀ロシア文化研究の第一線に立つ研究者24名のすぐれた論文を集めた私の古希・退職記念論文集である伊東一郎・宮澤淳一編『文化の透視法―20世紀ロシア文学・芸術論集』(南雲堂フェニックス刊)も刊行された。私自身の著作や翻訳書は別にして、この論文集は、早稲田大学で過ごした私の充実した時間の意味に報いてくれる最良の贈り物であった。 それからもうひとつ、大学在職中に忘れられない思い出が私にはある。1997年9月、文学部の品田一良教授のあとを継いで早稲田大学体育局バレーボール部長となったことである。当初はとまどっていた。本を読むことと原稿執筆、大学に出講するようになってからは講義の準備を中心に、いかにも文学者らしい私の生活スタイルには、バレーボールはおろか、ほかのスポーツにしても、ときおりテレヴィで観戦するほかは、まったく無縁な存在であった。たとえば野球の早慶戦すら、学生時代を含めて今日まで、神宮球場には一度も行っていない。 それでも、部長を引き受けて以来、可能なかぎり試合会場に足を運ぶうちに、このスポーツに対する関心は深まり、バレーボール部の学生の情熱と意欲、勝利の喜びと敗北の悔しさを目のあたりにするにつけ、私の感情は揺さぶられるようになった。バレーボール部の学生にたいして、文学部の学生や院生に対するのと同じような共鳴を覚えた。要するに、私は学生が好きなのであろう。 そう、ひとつ、つけ加えておきたい。演劇やバレエ、オペラや音楽のコンサート、世界のトップ・レヴェルのアーティストのくり返されることのない一回限りの芸術表現を求めて、いまでも私は劇場に通っているのであるが、バレーボールの試合に、それと同じような感動を味わったのである。スポーツもまた文化、パフォーマンスの表現であることを知ったのは嬉しいことであった。反復できない一瞬のために、自分のもっている技術のすべてを投入するスポーツこそ、文化にほかならないのではないだろうか。 部長に就任した翌年の7月、今橋茂樹監督のもと、主将でエースの伊東克明、セッター熊谷豪、センター赤井宏壮などの四年生を中心とする男子部が東日本大学選手権で優勝し、生まれてはじめて選手たちに胴上げされ、部長として金メダルを受けとったことは今でも鮮明に記憶している。当時、バレーボール部は関東大学リーグで男子は一部、女子は二部であった。それから10年の歳月が過ぎた。 早稲田大学では創立125周年を目指して運動部の強化が企画され、バレーボール部も11の強化部のひとつに選ばれ、財政的な支援を受けるとともに、男女で1名ないし2名の推薦入学が認められるようになり、自己推薦入試制度も導入されたが、高校在学中の学業成績も重視されるため、他大学のような無条件の推薦制度ではない。それでも文武両道を目ざし、早稲田でバレーボールをしたいと希望する高校生に門戸が開かれたのは画期的なことであった。そのせいか、今日、男女とも関東リーグ一部に定着し、全日本大学選手権でも、一昨年は男子が3位、女子は4位、昨年も女子が4位と健闘している。東日本大学選手権となれば、最近は男女とも準決勝に進出し、私も2試合連続でベンチに入る経験を何度か重ねたものだ。部長としては幸運であった。 これには稲門バレーボール倶楽部の長年にわたる精神的、財政的支援も忘れてはなるまい。在任中の会長、幹事長、幹事会メンバーをはじめ、それこそボランティアで指導していただいた歴代の監督、コーチのみなさまに私は深く感謝したい。そして、可能なかぎり試合を観戦し、母校の後輩への熱い応援を惜しまず、勝利や敗北を問わず、喜びと悲しみをわかち合って酒を呑みながら楽しく時を過ごした、いまや親しい友人となった人々との出会いも忘れられない。 退任にあたり、専門の学問分野においても、人間的にも深く信頼できる上村達男教授が快く後任を引き受けてくださったのは、私にとって最大の喜びである。いまは法学部長としてご多忙のことと思われるが、きっと、バレーボールを好きになってくださることでしょう。部員たちをよろしくご指導いただきたい。 現役の学生たちには、バレーボール部のよき伝統を受け継ぎ、精神的にも肉体的にも強くなり、大学日本一を目ざして練習にはげみ、新部長にたくさんのメダルをプレゼントしてほしい。 私も、現役の学生たちの成長を見つづけるため、そしてOB、OGと出会うことを楽しみに、これからも試合会場に足を運ぼうと思っている。 |
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